4. スパイス

投稿者: ゆきお

二人とも知りあってからセックスは好きなほうだ。
結婚する前、とくに結婚してから最初のころは、週末にセックスを欠かしたことはほとんどなく、平日にすることも多かったので、週2、3ペースというのは基本だった。

ところが、やはりどのカップルにもあるように一種の倦怠期が訪れた。
3年めには週1あるかないかにおちついてきた。
私だけの問題ではなく、彼女のほうも仕事が忙しく疲れがたまっていたといのもある。
パソコンを新調したのはそんなころだった。

そしてパソコンの新調をきっかけに、また二人の間で性的な興味が一時期戻ってきた。
最初は、ポルノ関連のサイトを見ているのことは、彼女に適当に内緒にしていたが、ある時、リビングのソアファーで二人でネットサーフィンをしていうるちに、画像中心にいろいろなものを見はじめ、それを二人の刺激にするようになった。

ノーマルなサイトも見れば、フェティッシュなもの、SM系のものも見る。

私はその時々で絵里の反応をみながら、また絵里も少し大胆になって、自分からクリックするようになって、いろいろな画像や短かい動画を見た。

だいたいは、「すごーい」とか「こういうのいいかも」というような反応で、私のほうも「じゃあ、こんなふうに縛ってみようか」とか「蝋燭垂らしちゃうぞ」とか言ったりするのだが、そのときの興奮のまま、二人でセックスし、そのあとは醒めたようになって、特別な行為に移らないのが常だった。

絵里のいないところでも見ていたSMものの妄想が膨らんで、彼女をいろいろに責めてみたいとか、野外露出のようなことをさせてみようかとも思うこともあった。
が、彼女はネットで想像の世界で興奮するところで十分と言い、私のほうも、その先に、実行をほのめかしても、やんわりした拒絶の姿勢にあうと、そこから先に踏み切れないのだった。

せいぜいストッキングで目隠しをして行為したくらいだろうか。
そのときの彼女の燃えようは私に十分な満足を与えてくれた。

つまるところ、私はそうしたスパイスによる彼女とのセックスにおおむね満足していたし、満足せざるを得なかった。
そして、妄想が果たせない足りない部分を、彼女のいない間、自宅で仕事をしている合間のオナニーで埋めていた。