9. 会話の前戯

投稿者: ゆきお

「寝取られ」の妖しい感情ととももに、今の絵里が他の男と寝ているのを見ることを妄想し、そしてオナニーすることが多くなった。

呼びさまされた寝取れれの感情は生々しくはあっても、当時の私には、ひとつの確実で安心な心のよりどころがあった。

それは、過去のその男は去り、今こうやって絵里と暮しているのは私だというまぎれもない事実である。
そしてその安心感が、その感情を、自分の中だけにとどめておかず、二人の性的刺激に使うというリスキーなゲームに引き寄せた。

ただし、過去のことを持ち出すことは巧妙に避けた。
それはまだ触れてはいけないものだと思った。
彼女もその話題には極力近づかないことに協力していたはずだ。

その上では、私は、自分の妻が他の男と寝ていることや、その現場を見ることで興奮する男たちのこと、あるいは、そうやって両者とも新たな快楽を得ている夫婦たちの主題へ、二人で見るネットでのネタを持っていった。

「絵里も、他の男と寝てみたいと思うかい。ただしぼくが知った上でだよ。」

「何、ばかなこと言ってるのよ。そんなことあるわけないじゃない。」

「でも、ほら、結局は奥さんのほうもみんな興奮してるみただいぜ。」

「私は、それはだめ。」

「ふ〜ん、ぼくの知らないところでも?」

「浮気ってこと?するわけないじゃない。ばか。」

「まじめなんだね。」(ここで過去のことをぐっと飲み込む)

「あたりまえでしょう。で、きみはどうなの。」

「どうって? 浮気?」

「じゃなくて、私が他の人とエッチしてもらいたいと思っているわけ?」

「ちょっと興奮するシチュかも、と思って。」

「最近、よく次から次へと変態的なことを見つけてくるわね。」

「でも、ほら、こういうの興奮しないかい?」(スワッピングの状況の画像を見せながら)

「なんだ、こういう奥さんと、エッチしてみたいという口実?」

「まあ、それもあるかもしれないけど、絵里が他の男とエッチしているのを見たいというだけの気持もあるな」

「ふ〜ん。そうなの?」

「いや、絵里がそれを疑うなら、ほら、こういうの、男単独での希望っていうやつ、そういうのを試してもいいんだぜ。」

「いやよ、そんなの。まだカップル同士のほうがいい」

「あれ、カップルならいいのかい。」

「そういうわけじゃなくて。女私一人で男二人はもっといやだってこと。」
「いや、ぼくは見てるだけでしないんだからさ。」

「変態ですね〜。だ〜め、そんなの。それにキケンよ。どんな人かわからないし。」
(あれ? 実行することを想像してるのかな?)

「たしかにね、人選びが大事だよね。」

「人選びとか、そんな問題じゃなくて。私、ゆきおくんだけで満足しているんだから」

「想像もするのは?」

「しないわよ、そんなこと。きみは想像するの。」

「何を」

「私が他の人とエッチしてるの。」

「想像は自由だからね。」

「それで興奮する?」

「興奮しないといえばウソになる。あれ、奥さん、濡れてませんか」

「あっ、いや…エッチ」

「やっぱり、想像して濡らしてたんですねぇ。」

「違うわよ。だってエッチしてる画像ばっか見てたんだもん。」

「ほら、びちょびちょですよ。」

「ああん…」

ソファの上で寝そべりながら、こんなふうに、じゃれあっているうちそのまま1回戦にもつれこむというのが、常だった。
こうやってからかってはいるが、特にこの「他の人とのエッチ」のネタのときに特に絵里が濡れたというわけではなく、野外露出や縛り、レズプレー等等ろんなネタでじゃれあっても結末は似たようなものだったので、この時だけ特に気にとめたということはなかった。
そして「他の人とのエッチ」ネタは、何度かひっぱり、掲示板の募集というネタがあったから結構リアルに楽しんだが、これが使いはたされると、別の日にはまた別のネタにうつっていった。

例の一人で感じる寝取られの感情のともに、それは私のお気に入りのネタの一つだったから、いろんなネタが何周かするなかでも何度か戻ったきたが、そのうちしだいにネット刺激ごっこそのものに二人の間で飽き、間遠になっていくうちに、二人の間でこの話が出ることはなくなっていった。