79. 記録

投稿者: ゆきお

スライドショーに圧倒されながらも、これらの画像の性格がまた気になった。

Y美とはいったい誰だろう?

スライドで表示される画像には撮影日時を示すキャプションがついていた。
5年近く前だ。
見ていくとほぼ3ヶ月にわたってとられたものといってよかった。

他に何か手掛りがないか、いったんスライドショーを閉じて、ブログのページを仔細に見ると、まず画像のサムネイルに気を取られて気づかなかった

「記録公開同意書」.

というリンクがページの一番上部に見えた。

クリックすると、手書きの文字が書かれた一枚の紙をスキャンした画像が出てきた。
次のように書かれてある。

同意書
私、■■■美は、御主人様■■■武様の奴隷として御主人様を信頼し、私に与えて下さったプレイと調教の全記録について、御主人様がお望みになる範囲、お望みになるお相手の方に公開することに喜んで同意いたします。目線など修正その他の扱いについても御主人様に一任いたします。公開についての同意は、私が御主人様との関係の解消とともに撤回を申し入れるまで有効とし、一年ごとに私からその同意を確認いたします。

最終同意確認日200■年■月■
                            ■■■美

■■■の部分は実際には、画像処理で後から黒塗りにしたものと見て取れた。

最終確認日は今から4ヶ月ほど前になっている。

■■■武が小野寺武であるのは間違いない、Y美、■■■美とは?

御主人様、奴隷、プレイ、調教、記録、公開、同意…

御主人様、奴隷というような言葉遣いは、いつ読んでも、私にとっては児戯のようにしか聞こえずどピンとくるものではないが、しかしこの記録の背後にリアルな、とにかく私にとって未知の世界が深く、暗く広がっていると感じられた。

絵里もプレーの記録が残されていれば、このような扱いを受ける可能性があったのだろうか。
先ほどまでの記録がなかったの残念だという甘い気分がふっ飛び、記録をとらないことにしたのは幸いだったと思い、この附則第4条を合意させた絵里の賢明さを祝福した。

しかし、絵里もその背後の深い世界を覗き見ているとするならば、彼女はいまどのような姿勢で、どこにいるのだろうか…。

最初のページには次ページへのリンクがついていた。
クリックすると6グループほどのスライドのリンクがついていた。
またスライドショーを見ていくと、すでに見たもの緊縛のヴァリエーションがあった。
違う機会に撮られたに違いない。
生の麻縄ではなく、赤い縄と赤い首輪のものは私もいろいろなサイトで見なれたものだが、この記録のものは、格別の生々しさを持っていた。

ランジェリー姿で緊縛されたシリーズもあった。
紫色のレースのマッチングのブラとパンティ、ガーターベルト。
ハイヒールにガーターベルトから吊された黒のストッキングの姿はそれだけでもエロチックであったが、それに縄が加わるといっそうに淫靡であった。
乳房が露出するように下されたブラジャーの上から掛けられた胸の縄。
ガーターベルトとパンティの上から掛けられた股縄。
股縄がパンティ越しにかけられるときに、その縄をは包みこむような布地のふくらみにはまた独特の淫らさがある。
別のショットではそのパンティが取り去られて、ガーターベルトの上から股縄が掛けられている。

ここではっと気づいた。
これらのハイヒールにランジェリーという姿こそ、絵里に最も似合うものではないか。
どちらかというとまだ健康的な若さを残している写真の中のY美に比べれば、スレンダーでビジネスウーマンぜんとした絵里の姿ほどこうしたシーンにうってつけのものはなかった。

すでに見たとおりの、小野寺がこれらの記録に込めているはずのメッセージからすると、これは早晩の絵里の姿なのだろうか。
もしかして今夜、現に…。

女の股間は無毛だった。
前に見たショットでは薄毛とはいえ無毛ではなかったので、日付を比べると、最初のページで見たものよりもひと月ほどあとだった。
まさか…。

最後のグループは縄で縛られ、両足を開かされて仰向けにされている女の肌に蝋燭が点々と垂らされているものだった。
スライドショーでみると、ポーズは同じだがそれが少しづつずれるのが、まるで彼女が身をよじっている様を想像させた。
赤く垂れた蝋燭の後が少しづつ増えていく。
胸に腹に、腿の内側に、そして下腹部の割れめの近くに…。
眼線を入れられた、彼女の表情、口の歪みに苦痛とも歓喜ともつかないものがはっきりと表れていた。

もう一つの状況のはっきりしないサムネイルはクリックすると、スライドでなく驚いたことに動画だった。