113. 愛撫

投稿者: ゆきお

立ったまま、いったんショーツを腿の途中までずりさげられた。
ショーツの中で熱を持っていた股間に、一種の解放感が訪れた。
同時に、愛撫するとも状態を確認するともなく動いていた指は、いっそう自由に活動しはじめた。
それに応じて、溢れ出す感覚を押し止めるものもなくなった。
花弁を指で刺激されて蜜が溢れているのか、それとも指は溢れる蜜を外へ導き、掬い出しているだけなのか。
自分の蜜を感じながら甘い感覚が腰全体に広がっていく。

「ニップルクランプがすっかり好きなったみたいですね。こんなに濡らしてしまって。」
小野寺が耳元で囁いた。

「違う」と抗議しようと思ったが、口は再び塞がれ、それも叶わなかった。
それに何と言えばいいのか。
胸の痛みだけではなく愛撫に応えてそうなっているのだとでも、言い訳しようというのか。
そしてその小野寺の言葉にまた溢れてくるものがあった。

意識の中で理性を押し除けていくのは、縄で絞り上げられた乳房の息苦しくもひりひりとした感覚なのか、クランプに噛まれた乳首の鋭い痛みなのか、長いディープキスで痺れはじめてきた舌なのか、その屈辱的な言葉なのか、それとも後ろ手に縛られてそうした事態に追い込まれている状況全体なのか。
何か言うどころか、それを考える気力すら遠のくほど、頭が痺れかけていた。

腰くだけになりそうになったのを、ふらつく体をささえられるようにして、ベッドの上にあおむけに誘導された。
腿まで下されていたショーツに手がかかり、あっけなく脱がされた。
いや、あっけなくというより、結局自分もそれに協力したのではないか…(その考えを引き出したのは、私のいじわるな質問である)。

背後にまわった小野寺に抱えられて引き寄せられるように体を起された。
ベッドヘッドによりかかって座っている小野寺の胸に背中をもたせかけて、後ろ手に縛られたまま座る形なった。
その姿勢で両足を足を大きく左右に広げさせられた。
尻の下には枕がクッションのように敷かれていて、余計にM字に開かれる形となった。
閉じかけていた目を開けるよう命じられた。

部屋のライトは明々とついている。

ちょうど目の前の書き物デスク兼のカウンターになっている壁に嵌められた鏡があり、そこに写る自分の姿が見えた。

歪に押し出せれ、ぱんぱんに張った乳房。
押し出されるようになった乳首を器具が容赦なく挟んでいる。
それだけでも耐えがたいほどに淫らだった。

背後からかかえられ両腿に添えられた手で、これ以上ないというほど開脚させられている。
クッションで位置を持ち上げられているためにその様子もはっきりと鏡に写っていた。
鏡の中に、自分の恥毛の黒い影、その下の女性自身の部分がはっきり見えた。
しかし、何より恥しかったのは、局部を晒しているということよりも、局部がそのように見えるほろに、後ろから男に支えられて足を大きく開いているその全体の姿のほうだった。

指がまたそこを愛撫しはじめた。
以前として湧き上がる蜜に溢れている部分に指がゆっくりと這いまわる。
陰唇を2本の指が分けるように広げた。
鏡に写るそこを見るように言われた。

両方の手の指が左右からわざと淫らに両側に広げらた。
蜜がそこに糸を引いているのを指がこれみよがしに確認した。
指がゆっくりと花弁をしていく。
その部分でゆったりと味わう甘い快楽は昔から好きだったが、小陰唇の内側が、じんじん痺れ熱を持つほどの反応を返すほどに敏感な部分だとは、小野寺の指を知るまで分からなかった。

遠慮なしに指が挿入された。
1本、2本。
熱い膣の管が探索されている。
探索に膣壁が次第に反応してきた。
すでに自分のそこのいろいろなスポットを、自分以上に知っている指の動きに、無意識のうちにでも期待の心が動く。
いや心を介せずとも、器官そのものがその期待で反応する。

が、指による探索は中途半端なところで中断された。
抜かれる指をうらめしい気持で見送った。

こんどはクリトリスが指の活動の中心になってきた。

指の腹で押すように、爪の先で軽くひっかくように、蜜を塗るように、蜜の層を剥すように、包皮を、直接に、回りを、サイドから、下からすくいあげるように、素早く、ゆっくりと、直線的な往復運動で、丸い動きで、鼠径部の愛撫とともに、花芯に挿入した指の動きと連動しながら…。
クリトリスだけでも、小野寺の愛撫のそんな多彩さ、執拗さはもう知っている。

その色とりどりの感覚の時間が始まったと思った。

前の2回のプレイその愛撫だけでも、何度も絶頂を迎えさせられている。
小さな絶頂を重ねていき、じらされると最後半狂乱になることも知っている。
が、今日は、時間がたつにつれ、絶頂に追いやるよりも、時には気を散らすような動きも交えながら、ゆったりとじらすほうに小野寺の関心があることに気づいてきた。
いきそうにななると、それを制するような別の動きがあった。
いつまでそれが続くのか…。

その疑問を括弧に入れ、むしろ、小野寺の指に気持を委ね、快楽に酔い、感覚に沈潜しようとした。
そこに、低いしかしはっきりしたた声で耳に吹き込まれた。

「その姿を写真にとってあげましょうか。」

「?!」 狼狽の気持が一気に胸に広がった。