156. 「正解」

投稿者: ゆきお

「カンパリ飲んだあとどうしたの。」

「プレイ続行。」

ワインのグラスが進みながらの二人の会話の中で、緊張がとけてくると、私も絵里も軽く戯れるように口調になってきた。
いや二人とも努めてそれを装おったということかもしれない。

「何のプレイ?」

「はじめての体験でちょっとびっくりしたプレイ。」

「何だろう?」

「何だろう。」

……

「浣腸か?」

「違うわよ。」

「電マ」

「それも違う。」

「ローター。」

「違う。」

「そういえばバイブ系って一度も登場してないよね」

「そうね。」

「使わないのかな?」

「分からない。」

「いつか出てくるね。」

「そうかもね。」

……

「針」

「え?それは禁止のはず。」

「禁止されてないよ。契約書の附則では。ピアスみたいに体に改変なければね。」

「そういえばそうね…」

「そういえば契約書でアナルセックスは禁止だけど、そこでプレイするのは禁止って書いてないよね。ディルドとかでやられたらどうする?」

「準じて禁止のはずよ。」

「細いのは。」

「…確認しておかないといけないわね。どっちにしても、今のその近辺の関係じゃない。」

絵里は契約書の細則とプレイの限界のそうした諸々のことについてほんとうに考えたり、小野寺と話したりしたことはないのだろうか…。
自分のことなだ。そうではあるまい。
それとも考えないようにしているのか。
私の前では無邪気にとぼけているだけなのか。

「飲み物飲んだよね。拘束して強制おもらし。」

「やだ。違う。」

……

「三角木馬。」

「違う。設備になかった。鞍馬みたいのはあったけど。」

「じゃあその鞍馬?」

「違う。」

実はもう私の頭の中には最初から確信のようなものがあった。
それを避けながらぐるぐる回っていたが、逆に明らかに触れないのは何か勘ぐられることになるかもしれないと思い、核心に触れた。

「ろうそく…かな。」

「正解。」